フイフイ
はじめまして。明けましておめでとうございます。Aロマンティックについて調べていて、こちらのブログに辿り着きました。悩んでいることがあり、コメントさせて頂きます。お返事いただけたら大変有り難いです。
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私はヘテロの女性(30代後半)です。3年前に婚活サイトで出会った男性(40代前半)がいるのですが、彼がAロマンティックなのではないか(もしかしたらAセクシャルも?)と最近思うようになりました。
彼とは出会った当初から大変気が合い、何度もデートを重ね、このままお付き合い→結婚に行くのではないかと、かつては思っていました。しかし数ヶ月経っても付き合おうという決定的な言葉はなく、性的な行為は一切無いどころか、手を繋ぐ素振りすら全くありませんでした。
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ある日痺れを切らし、私から「付き合うつもりあるの?」と聞いてみた所、「(私のことは)人として好きだし大事に思っているけど、恋愛感情は全く湧かない」と言われました。私はそれを聞いてショックを受け、「もう会わないし連絡もしない」と心に決めたのですが、彼は「こんなに気の合う人はいない。今後も友達としてずっと付き合ってほしい」と懇願してきました。婚活で出会ったのに、私の(恋愛感情として)好きな気持ちを知りながら、蛇の生殺しのような関係を望む彼の思考が全く理解できず、その日は悲しいような腹が立つような複雑な気持ちで帰りました。
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最初は私に女としての魅力がないから付き合うつもりがないんだとか、私との関係は遊びで、他にもっと本命の人がいるんだとか、マイナスのことばかり考えて疑心暗鬼になっていましたが、その一件以降の彼も相変わらず優しく人間的な魅力に溢れており、私はますます好きになってしまいました。結局、連絡を断つことはできず、3年が経とうとしている今でもとても仲が良いです。私は、それが世間一般の男女の恋愛関係と呼べるものでなくても、(彼の言う「友人」として)毎日会話したりデートしたり出来ることにこの上ない喜びを感じていますし、出会えて良かったと思っています。
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ですが、私ももう30代後半。正直言うと結婚がしたいし子供も欲しいのです。このままこの彼と仲良くしていても、結婚は疎か付き合うことも絶望的なのだから、早く見切りをつけて新しい人を探さなければとも思います。でもやはりこの「彼」が好きですし、他に目が向きません。周りはそんな私を心配して、婚活パーティーに誘ってくれたり、友人を紹介してくれたりするのですが、どうしても彼以上に心がときめく人に出逢えず、お付き合いには至っていません。「いつの日か(彼も)私に恋愛感情を抱いてくれるかもしれない」と淡い期待を寄せたまま、歳月だけが流れていきました。
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しかしそんな期待が、ほぼ実現不可能であることが最近分かりました。先日、知人が私にお見合い相手を紹介してくれ、悩んだ挙句に出席することにしたのですが、その経緯を思い切ってこの彼にも話してみたのです。(私たちはあくまで「友人」なので。)
するとこの彼は全く嫉妬や動揺することもなく、まるで他人事のように「頑張って!」と励ましたり一般的なアドバイスをしたりしてきました。とてもショックでした。3年の月日を費やしても、私は全く彼の「特別」には昇格できなかったのだなぁと思うと泣けてきました。これこそもう、お別れのサインかなと思いました。
でもその時に彼が付け足すように言った言葉が印象的だったのです。
「ボクはやっぱり恋愛感情が分からない。人間的に好きな人はいっぱいいるけど、これは恋愛感情じゃないと思う。今までの彼女にもそれで愛想を尽かされてしまい、ずっと悩んできた。だからボクは結婚には向かないと思うし、今のところ必要性も感じていない。婚活サイトに登録したのは、周りから強要されただけ。自分の意思ではない。でも私と出会えたのは良かった」
これを聞いた時、もしかしてこれって、私に魅力があるとかないとかの簡単な話ではなく、彼のセクシャリティに関わるもっと深い問題なのではないかと気づきました。そして自分なりに色々調べていくうちにAロマンティックやAセクシャルと言う言葉を知ったのでした。
多分彼自身は自分のセクシャリティを自認していない気がしますし、私から決めつけて言うこともないと思います。でも私は、この言葉が胸にストンと落ち、何だか気持ちがラクになりました。
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今後もこの彼と共に歩むつもりなら、私自身が彼の性質をもっときちんと理解していく必要があるし、恋愛とか結婚とかは端から期待せずに、ただ落ち着くから側にいると言う素直な気持ちに切り替えて行く必要があるかと思います。
でも、結婚も出産もまだ諦めたく無い私に、果たしてそれができるのか。そして彼自身は、本当のところどう思っているのか。頭がグルグルします。
なかたつ様は今の奥様と出逢われた時、「付き合う」とか「結婚」と言った未来をどうやって描かれましたか?また奥様は、恋愛感情が湧かないなかたつ様をどのように理解され、接して来られたのでしょうか。参考にさせて頂きたいです。
新年早々長々とすみません。よろしくお願い致します。
フイフイさん、コメントありがとうございます。
まず、自分も正直「付き合う」とか「結婚」とかには全く興味はありませんでした。
ただ、自分の願望として「子どもを養育する」というのをずっと持ち続けていました。
自分の子でなくても、養子、里子いろんな選択肢を考えましたが、自分の子を作る能力があり、性的行為や異性と付き合うこと、結婚することに特に嫌悪感があるわけでもないため、世間一般的な「お付き合い」を経て「結婚」し子どもを作るという手順を踏みました。もしかしたら親や世間体も気にしていたかもしれません。
「付き合う」や「結婚」はあくまで、世間の普通を踏襲したに過ぎません。周りに合わせることができましたし、それが嫌でもなく、デメリットも感じなかったためです。(子どもを育てる上では結婚という制度は大変メリットがあるとも感じました)
まぁ、でも結局は妻と一生を共にしても良いという気持ちが出てきたから「結婚」という選択を取ったというのもあります。
そこにあるのは恋愛感情ではなく、長く一緒にいることで出てきた「情」「純粋な愛」です。
自分の経験での話になりますが、相手さんが「付き合う」ことや「結婚する」ことに興味がないのであっても、もし「子どもが欲しい」「生涯を共にできるパートナーが欲しい」という願望があれば、フイフイさんが相手と結婚、そして子どもを作ることも可能性としてはゼロではないと思います。
ただ、やはり相手さんは「恋愛感情がなければ結婚できない、してはいけない」と思われている気がします。そしてずっとそれで悩んできた。
私自身もずっとそう思ってきました。それこそ、恋愛至上主義の弊害だとも思います。
1人のAロマンティックとして言わせて貰うと、恋愛感情というものが理解できないですし、その感情だけで繋がろうとする恋愛者(恋愛感情を他者に抱く人の総称として使ってます)のことも理解できず、正直なところ恋愛対象として見られるのが怖いのです。
もっと噛み砕いていうと、
「同じ熱量で恋愛感情向けてあげられないことの申し訳無さ」
「必死で恋愛感情を生み出そうとするが、何も得られない虚無感」
「周りと比べ、感情が一つ欠けていることへの劣等感」
「恋愛感情というすぐに切れてしまう頼りない絆(私個人の感想です)で繋がろうとする相手への疑心感」
「恋愛が他者に対する最上級の愛だという押し付け」
「恋愛感情がなくなった途端、相手が離れて行くのではないかという憂慮」
様々な感情が混ざりあい、それが恐怖、嫌悪となって、恋愛市場から離れたい、恋愛感情を向けられたくないと思ってしまうのです。(もちろん、全てのAロマンティックが自分と同じだとは思いませんが)
妻は、今でも恋愛感情を持たない私のことは理解できていないみたいです。考えない様にしているとのことでした。
カミングアウトした当初は必死で理解しようとしてくれていましたし、色々と話し合ったりもしました。色んな面で気を使ってくれていたのも感じていました。(スキンシップを控えたり、無理強いしない様にしたり等)
正直なところ妻は私と付き合うより、恋愛感情を受け入れて、そして同じ恋愛感情を返せる男性と付き合った方が幸せなんじゃないか、と常に思ってはいました。
だから、「嫉妬」っていうのができないんですよね。自分の元から離れて行くのであれば止めはしないですし(止めることができない)、他に良い人が現れたなら応援したい。
相手さんの気持ちもとても良く分かります。
好きだからこそ、幸せになって欲しいんです。だけど、恋愛感情を持てない自分と居てはそれは叶わない。そばにいて欲しいけど、自分には繋ぎ止められるものがない。
色んな葛藤はありますが、結局のところ笑顔で見送るしかないんです。
そうやって、自分に嘘を付きながらAロマンティックは生きてます。(少なくとも自分はそうでした)
決して一人が好きなわけでも、寂しくないわけでもないです。
私はたまたま、それでも側に居てくれた、そして理解をしようとしてくれた妻がいました。
付き合っている当初は、恋愛感情を返せなくて申し訳ない気持ちでいましたし、沢山泣かせたこともあります。普通の恋愛をしたかっただろうに、酷なことをしたと思っています。
ただ、Aロマンティックの人と付き合っていくというのはそういうことでもあります。いくら好きでも、求めている見返りはないかもしれません。不安もあると思います。
それでも変わらず一緒にいて、理解をしめしてくれようとした妻を、私は生涯のパートナーとして選びました。「恋愛感情」ではない「愛情」を妻から注がれているとひしひしと感じたからです。
だからこそ、私も「恋愛感情」は返せないけど、違った愛情を妻に毎日、言動で表現しています。
結婚生活もしくは他人と共同生活を送る上、また子育てをする上でも、そういった愛情から生まれた言動でのやり取りが一番大切なのではないかと、身を持って実感しています。
以上、参考までに。