なかたつさん初めまして。 私はたぶんアセクシャルの20歳です。
自分のセクシャリティについて考え始めたのは中学生の頃からで、周りの恋愛の価値観が合わないことがきっかけでした。
一時期、レズビアンなのではないかと考えましたが、それも価値観が合わず、ノンセクシャルを自称していました。
何度か男性から交際を申し込まれたことがあるのですが、そのたびに好意を求めてくる異性に対して強い嫌悪感を感じます。
私ではなく性行為を目的に近づいている、と思うと相手のことが嫌いになってしまいます。
性行為やキスの経験はなく、未知のものに対する恐怖から来ているものなのかも知れないと思い、経験してみたいという思いはあります。
ですが、適当な人と澄ますのにも抵抗があり、かといって好きな人もできないため、困っています。
性欲はありますし、恋愛ものも物語としては楽しめます。人に対しての愛情はあり、兄弟もいるためか男性に対する嫌悪というよりは性的な目を向けられることに対しての嫌悪感があります。
以前はノンセクやアセクかもしれないと思いながら、いい人がいたら変わるかもしれないと思っていました。
しかし、つい先日バイト仲間からデートに誘われ、バイト仲間としての好意から一気に嫌悪感に代わってしまい、本格的にアセクシャルなのではと思い始めました。
別に悪い人ではないのに嫌いになってしまう自分に対する自己嫌悪とアセクを名乗り切れない不安感があります。
いつかはパートナーがほしいし、子供も欲しいと思っている矛盾に苦しんでいます。
なかたつさんは嫌悪感がないタイプとおっしゃっていますが、嫌悪感がある場合はアセクとは異なるのでしょうか?また、アセクやノンセクの方と話してみたいのですが、出会いの場などはありますか?
>>あきさん
コメントありがとうございます!
そして返信が遅くなりました、すみません。
さて、自分も恋愛嫌悪が軽くあるので
"私ではなく性行為を目的に近づいている、と思うと相手のことが嫌いになってしまいます。"
という、あきさんの気持ちは理解できます。
自分と目を合わせて話しているのに、どこか自分を透かせて見ているような、その先を見られているような妙なあの視線は、言い難い違和感を覚えます。
そして思うのは、「結局、相手は僕のことを好きなわけでなく、恋という衣装を身に纏った自分自身が好きなんだ」ということ。
言い難い違和感は、自分自身が相手の欲求解消のためのただのツールにされていると感じるために生まれてくるので、「相手にとって自分は、身近にあって手に取れる、都合の良い存在だったんだな」と、少しもの悲しくも思います。
「好き」にも色々種類はありますが、「恋愛の好き」と「性的に好き」という2つだけは特に、向けられると妙な違和感を覚えます。
もし自分に、相手に対する性的欲求や恋愛欲求があれば話は違ったんでしょうけどね。
あと、アセクシャルと性嫌悪は直接的には関係ないと思っています。
「性的なことに嫌悪感がないのならアセクシャルではない」と主張する人もいますが、性的な欲求を抱く対象がいるかということと、性的な欲求の対象になるのが嫌というのは根本的には別の話。
もちろん、「性嫌悪を持つ人はアセクシャルじゃない」というわけではなく、あくまでアセクシャルと性嫌悪は別の話ということ。
アセクシャルの定義は、「他者に性的欲求を抱かない」というものだけで、性嫌悪のある/なし、パートナーが欲しい/欲しくない、結婚したい/したくない、子どもが欲しい/欲しくない、恋愛に憧れがある/ない、等々は全く関係はないでしょう。
故に、「他者に性的欲求を抱かない」のであれば、あきさんもアセクシャルだと言っていいんじゃないでしょうか。(「他者」、「性的欲求」、「抱かない」の定義が、人によって異なるからややこしいんですけどね。)
また、アセクシャルを自認している人の中では、あきさんの様に、性嫌悪を持つ人の方が多数派です。
性嫌悪がある方が「性行為をしたくない」「性的な目で見られたくない」という欲求があるために、セクシャリティについて考える機会も多く、アセクシャルというラベルを手に取りやすいのだと思います。
そもそも、自分のような性に嫌悪感がない(感心がない)タイプはアセクシャルであっても、アセクシャルと自認しない人も多いでしょう。
理由はただ単に「性に感心がないから」。自分のセクシャリティに名前をつけることにさえ興味がないでしょう。
違和感や嫌悪感、その他欲求がなければ人は、自分のセクシャリティなんてどうでもいいものとして捉えるでしょうから。
なので、性質的にはアセクシャルやアロマンティックである人は、日本には沢山いると思いますよ。目に見えないだけで。
ちなみに自分は、今現在はアセクシャルという性質を持っていますが、未来もずっとアセクシャルであると断定してないですし、自分自身を「アセクシャル」というセクシャリティに縛っていません。
もしかしたら将来、恋愛感情や性的欲求抱く異性や同性が現れるかもしれませんし、人じゃない何かに恋をしたり、性的欲求を抱くかもしれません。
ただ、今現在と過去で話せば、「他者に性的欲求を抱いたことがない」のでアセクシャルだと断言できます。
アセクシャルと名乗ることに価値を置かず、セクシャリティに流動性を持たせているからこそ、今は何の悩みもストレスもなく、セクシャリティも気にせずに生活できているのだと思います。
揺れ動き、流れることはこの世界では当たり前のことで、今が「アセクシャル」であり、未来にそうでなかったとしても、過去の「アセクシャル」は「嘘」にはなりません。
「他者に性的欲求を抱かない」のであれば、もっと気軽にアセクシャルという言葉を身につけていいと思いますよ。
「違うなー」と思えば、その時にまた考えればいいですし。
まぁ、それも含めてアセクシャルやノンセクシャルの方と話をしてみたいというのは分かります。
最近は、オフ会も色んなところで開かれているので、あきさんも参加されてみたらどうでしょう?
ツイッターで探すと見つかりやすいかもしれません。
あとは、僕自身も今現在、コミュニティサイトを作成しています。
以前、一度断念したものをバージョンアップして世に出すつもりです。
もっと気軽に当事者同士が交流できるように、みなが簡単にイベントを開催できるような仕様を盛り込んでます。
ただ、いつごろ公表できるかは分かりませんので、完成するまでは別のオフ会などに参加されてみてはどうでしょうか。