Aセク、パパになる

AロマAセクが何か言います

「自分の性的指向が分からない」という人に向けて、AロマAセクがまとめた事を書く

どうもこんにちは、なかたつです。
さて突然ですが、「AロマAセク」ってなんぞや?ということから説明します。
 
AロマAセクとは、アロマンティック・アセクシャルの略で、他者に対して「恋愛感情」と「性的欲求」を抱かない性質、もしくはその性質を持つ人のことを指します。
 
日本語では「無性愛」「無性愛者」などと表現されます。
 
一種のセクシャルマイノリティですね。(アロマンティックは、セクシャルに関係ないけど)
 
僕は、3年前の24歳の時に自認しました。
まぁ、AロマAセクが故の苦労は色々とありましたが、今は特に大きな悩みはありません。
 
詳しくは、こちらをお読み頂ければと思います↓
 
巷では「LGBT」やら「ダイバーシティ」やらが取り上げられる様になりましたが、その「LGBT(レズビアン・ゲイ・バイ・トランスジェンダー)」の枠に当てはまらないセクシャリティもこの世には存在します。
 
 
LGBTが大きく取り上げられる様になればなるほど、その枠に入れないセクシャルマイノリティ達は、より肩身の狭い思いをしてしまうのではないでしょうか?
 
かつては自分もその一人でした。その悩みは、一人で抱えるのには大きすぎます。
 
 
そこで今回、セクシャルに悩む人に向けて、その悩みを軽くしたいという気持ちからこの記事を書きました。
 
もちろん僕は学者ではないですし、専門家でもないので、必ずしもこの記事が正しい意見であるとは限りません。
 
一人のセクシャルマイノリティの意見だとご理解の上、読んで頂けたらと思います。
 
今回は主に「性的指向」について考えてみます。
 
自分の「性的指向が分からない」と悩んでいる人は、ぜひ読んでいってください。
 
 
※性的表現もありますので、18歳以下の方と性的表現が苦手な方はお控えください。
 
 

性的指向とは?

さて、そもそも性的指向とは
 
性的欲求を抱く対象は誰(何)か?
 
という意味になります。
 
マジョリティ(多数派)の人達は、自分の性自認とは異なる性を持つ人に対して、性的欲求を抱くことと思います。
 
 
あえて難しく表現すると、シスジェンダー(自身の性自認と身体的性別が一致している)かつ、ヘテロセクシャル(異性愛)が、一般的とされている性的マジョリティとなります。
 

「性的欲求」って何?

あなたが、異性愛者であれば「異性に性的欲求を抱く」はずです。
 
でなければ、別の性的指向を持っていることになるでしょう。
 
ただ、その「性的欲求」って何か?というところですが、
 
「性的興奮が生まれる」もしくは「性的興奮が増幅させられる」ことだと僕は思っています。
 
つまり、異性愛者であれば「異性によって性的興奮が生まれ、また性的興奮が増幅される」ということになります。
 
アセクシャルの僕の場合は、性欲自体はありますが、誰か(何か)によって性的興奮が生まれることも増幅させられることもありません。

 性的指向の種類について

さて今回の本題について考えていきましょう。
 
まず、この世の全ての人は「性的指向がある人」と「性的指向がない人」に分けることができます。
 
性的指向がない人を「無性愛者(アセクシャル)」と呼び、性的指向がある人を「有性愛者」と呼びます。(自分が勝手に呼んでいるだけだけど)
 
最近取り上げられがちなLGBTは、T(トランスジェンダー)を除いて全て「有性愛者」のセクシャルマイノリティとなりますね。
 
トランスジェンダーは、自身の性自認の話ですので「性的指向」ではありません。
なんでこの四つがまとめられてるんだろうと、いつも思ってます(汗)
 
まぁ、それはいいんだけど。
 
結局、取り上げられるセクシャルマイノリティが「有性愛者」が故に、性的指向のない「無性愛者(アセクシャル)」の居場所が狭くなっていることは実感しています。
 
「人は誰かを性的に愛する」また「人は誰かを恋愛的に愛する」というのが、世間で一般化され、それが正しいこととされてしまっているため、それが出来ない人が苦しい思いをしているのではないでしょうか?
 

有性愛者の種類について

 さて、この世には性的指向を持たない人もいることは知って頂けたかと思います。
 
ただ、僕は「有性愛者」の方が奥が深く、未だに知られていないことも多いのではないか?と思っています。
 
そもそも、LGBは「人」に対して性的興奮を抱くセクシャルマイノリティですが、
 
有性愛者は「人」だけでなく、「もの」や「状況」に性的興奮を抱く指向もあると僕は考えています。
 
図にするとこんな感じですかね。

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「人」に性的欲求を抱く「対人性愛者」
 
まず、「人」に性的欲求を抱く人は、
  • ヘテロセクシャル(異性愛者)
  • ゲイセクシャル、レズビアン(同性愛者)
  • バイセクシャル(両性愛者)
  • パンセクシャル(全性愛者) 
 
などの人が存在します。
 
ゲイセクシャルやレズビアン、バイセクシャルなどはLGBTにも含まれており、セクシャルマイノリティの代表みたいにもなっているので、ご存知の方も多いかもしれません。
 
異性愛者は「ヘテロセクシャル」と呼ばれ、「ヘテロ」とはギリシャ語由来の言葉で、「異なる」という意味を持ちます。つまり(自分とは)異なる性に性的欲求を抱くということですね。性的マジョリティは、このヘテロセクシャルです。
 
 
パンセクシャルは、あまり馴染みのない性的指向かもしれませんが、これは「男女という性別の概念に囚われない人」も含め、全ての人が性愛の対象となる性的指向です。
 
つまり、男・女はもちろんのこと、トランスジェンダー、Xジェンダー、MTF(X)、FTM(X)等々、ジェンダーに関係なく「人」に性的欲求を抱く人は、パンセクシャル(全性愛者)ということになります。
 
もちろん他にも「人」に対して性的欲求を抱く性的指向は存在します。特定のジェンダーにだけ性的欲求を抱く人とかね。今回は割愛させて貰いましたが。
 
「もの」に性的欲求を抱く、「対物性愛者」
僕の知っている人で、「橋」に恋愛感情を持つ人がいます。川に架かる、あの橋です。
 
その人は性的欲求を「橋」に持つことはないそうですが、この世の中には「物」や「動物」に性的欲求を抱く人がいます。
 
そんな人を「対物性愛者」と呼びます。
 
一見、下着や体操服などに性的欲求を抱く人達は、異性愛者と思われがちですが、「その物」に対して性的欲求を抱いている時点で、僕は「対物性愛者」と考えています。
 
その他にも、ビルや橋、建造物や木、車や機械、絵画や美術品などに性的欲求を抱く人や、動物に性的欲求を抱く人もいます。
 
 
LGBしか世間に浸透していないのを見ると、「人は誰かを愛する」というのが徹底的に染み込んでいるなーと感じます。
 
物や動物に性的欲求を抱いてもおかしくないのに、それは世間では「変態」という一言で片付けられますよね。
 
Aセクの僕からすれば、「異性愛者」も同じくらい変態なんですけどね(笑)
まぁ、多数派の意見には敵いません。
 
 
他にも、2次元のキャラクターに性的欲求を抱く人も、「対物性愛者」もしくは次に説明する「対状況性愛者」と言えるのではないかと考えています。
 
 
シチュエーションに性的欲求抱く、「対状況性愛者」とは?
 まず、自身を「異性愛者」だと思っている人の全てが、本当に純粋な異性愛者なのか?
 
僕はそうは思いません。
 
例えば、「異性であればどんな人にでも、どんなシチュエーションでも性的欲求を抱くか?」と言ったら、
 
ほとんどの人が「それは当てはまらない」と答えるのではないでしょうか?
 
つまり、異性愛者であっても相手の「状況」や、その場の「状況」に応じて性的欲求を抱く場合や、抱かない場合があるということです。
 
僕は「特定の状況」によって性的欲求が生まれるor高まることを「対状況性愛」と表現し、
 
逆に「特定の状況」によって性的欲求が衰退、もしくは嫌悪感を持つことを「対状況性嫌悪」と勝手に名付けて呼んでいます。
 
つまり、異性愛者であっても、少なからず「対状況性愛」の性質を、誰もが持っているということです。
 
「性的フェチズム」と言われてるものの正体も、この「対状況性愛」だと思っています。
 

 「対状況性愛」を深く考えてみる

さて、突然に「対状況性愛」という言葉がでてきて、「なんじゃそりゃ?」と思われている人もいるかと思います。
 
ただ、この「対状況性愛」という概念で色んなことが分かりやすくなるので、ちょっとここらで深く詳しく説明していきたいと思います。
 

性的フェチズムの正体

男友達と話をしていると、人それぞれに色々なフェチを持っていることが分かります。
例えば、「おっぱいが大きい女性好き」「小柄な女性好き」「コスプレ好き」「SM好き」「若い子好き」「熟女好き」等々と挙げればきりがありません。
 
おそらく、上記のフェチを持っている人は、一言に「異性愛者」と表現されますが、僕の考えでは「異性愛」+「対状況性愛」が、上記のフェチを作りあげているのではないかと思っています。
 
図にするとこんな感じですかね。

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図は異性愛者の場合ですが、性的興奮を抱く対象が「異性」であり、なおかつその「異性」の状況が「おっぱいが大きい」「可愛い」「若い」「制服を着ている」などの状態で、それにより性的興奮度が増すのであれば、その人は「異性愛者」かつ「性愛対象のおっぱいが大きい、可愛い、若い、制服を着ている」という「対状況性愛者」であると言えるのではないかと思います。
 
あと、「場所」のシチュエーションも同じことが言えて、「教室」や「野外」、「病室」「ホテルの中」など、性的行為をする場所によって興奮度合いが強まるのであれば、それも「場所」による「状況性愛」であると考えています。
 

対状況性愛の種類

対状況性愛は大きく分けて
  • 性愛対象の状況
  • 場所の状況
  • 自身の状況
  • 場面の状況
があるのではないかと思っています。
 
性愛対象の状況とは
性愛対象者の状況とは、例えば「おっぱいが大きい・小さい」「若い・熟」「小柄・大柄」「コスプレをしている」「声が可愛い」「声が低い」「胸板が厚い」「腕が太い」「良い匂い・臭い」等々で、性愛の対象が持っている性質や置かれている状況のことを指します。
 
不倫に興奮する人は、「誰かの妻」という、性愛対象者の状況に興奮しているとも考えられます。
 
 
もちろん、性愛対象は「人」だけでなく「もの」も含まれます。
 
「男子校高校生が着ていた汗臭い体操服が盗まれた」というニュースをたまーに耳にしますが、以外とその犯人は男性だったりします。
 
その犯人は必ずしも、男子高校生を性的に愛している「ゲイセクシャル」という訳ではなく、「汗臭い」という状況の「体操服」に対して性的興奮をしている「対状況性愛者」かつ「対物性愛者」か、体側服には興味がなく「汗臭い匂い」にだけ興奮する「対状況性愛者」、もしくは「盗む」という「禁忌行為」に対して性的に興奮する「対状況性愛者」などが考えられます。
 
もちろん全て当てはまる可能性もありますけどね。
 
場所の状況とは
「場所の状況」は最も分かりやすく、どこで性的行為をするのが興奮するかということです。
ちなみに「教室」「病室」「野外」「トイレ内」「車内」など具体的な場所のことだけ指します。
「人混みの中」や「隣に知り合いがいる」とか、具体的な場所ではない場合は、どちらかというと「場面の状況」に含まれます。
 
ま、どっちでもいいんだけど(笑)
 
自身の状況とは
「自身の状況」の代表は、SMプレイのMの方ですかね。
これは、被虐的行為を受けているという自身の状況に興奮をしていることになるので、自身の状況による「対状況性愛」といえます。
 
ただ、加虐行為を与えている方(Sの方)は、「被虐的行為を受けている性愛対象者」に興奮している場合が多いと感じるので、どちらかというと「性愛対象の状況」による「対状況性愛」だと考えます。
 
自身が感じる「痛み」や「その他の感覚的なもの」を感じて興奮する場合、女装や男装をすることによって性的興奮が高まるのであればそれも「自身の状況」による「対状況性愛」といえます。
 
他にも、この世には「叱責を受けている時」に性的興奮を覚えるという人も存在します。
誰かから怒られているという自身の状況に対して興奮しているので、これも「自身の状況」による「対状況性愛」だといえますね。
 
 場面の状況
最後は、場面の状況に対しての「状況性愛」です。
 
例えば、隣に知り合いがいる中で性的行為をするとか、多人数で性的行為をするとか、
 
とある場面(シーン)に対して性的欲求を抱くことを、場面による「対状況性愛」と表現しています。
 
「空想」に対して性的欲求を抱く人もいますが、それは自身の頭の中で特定の場面(シーン)を思い浮かべていると考えられますので、これも場面による「対状況性愛」だといえます。
 
逆に場面による「対状況性嫌悪」もあり、自身が性行為をしている「状況」に対して嫌悪感を示すのであれば、「自身が性行為をしているという状況」に対する「状況性嫌悪」になります。まぁ、なかなか複雑です。
 
あとは、犯罪行為や禁忌行為に性的興奮を抱く場合なども、場面による「対状況性愛」に当てはまります。
 
例えば、不倫や痴漢行為などが挙げられます。不倫という「禁忌行為をしている場面」、痴漢という「犯罪行為をしている場面」に対して性的興奮をしているということです。
 
これらの行為がなくならないのは、「異性愛」と「対状況性愛」という、欲に欲を掛け合って、より強い欲望が生まれてしまっているからなのでしょうね。
 
 

性的指向の錯誤

さて、ここまで「性的指向」について、僕が考えていることを書いてきましたが、どうでしょう?
 
あなたは自信を持って自分の「性的指向」は何かを答えられますか?
 
もしかしたら、あなたも性的指向を誤って認識しているかもしれません。
 
性的指向を誤って認識している状態を僕は「性的指向の錯誤」と表現しています。
 
 
例えば、「男子高校生の着ていた汗臭い体操服」が好きな男性は、「ゲイ」かと言われたらそれは必ずしも正しいとはいえず、「汗臭い」という状況の「体操服」に対して性的興奮をしている「対状況性愛者」かつ「対物性愛者」か、体側服には興味がなく「汗臭い匂い」にだけ興奮する「対状況性愛者」、もしくは「盗む」という「禁忌行為」に対して性的に興奮する「対状況性愛者」であるともいえます。
 
どの性的指向に当てはまるかは、自身が何に性的興奮をしているかという点を考える必要があります。
 

恋愛指向による性的指向の錯誤

 
「女性は雰囲気を重要視する」
 
よく聞くフレーズですね。夜の営みに対して、女性は何よりも雰囲気を大切にしているという意味です。
 
異性愛者の男性の場合は、相手が女性であれば雰囲気は構わず、すぐに手をだす様に思います。
逆に女性の話を聞いていると、たしかに、雰囲気を大事にするという考えの人は多いような気がしますね。
 
でも、その女性が異性愛者であれば「異性である男性に性的興奮する」はずですので、雰囲気なんてどうでもよいはずです。性愛の対象者である男性がいればね。
 
 
雰囲気が良くなければ、性的な興奮を得られないor得られにくいのであれば、実はそれは異性である男性に性的興奮を抱く「異性愛者」ではなく場面に性的興奮を抱く、場面による「対状況性愛者」であると考えられないでしょうか?
 
異性である男性に対して性的な興奮を得ているのではなく、「恋愛対象である男性との情緒的雰囲気の中、自身がその恋愛対象者に抱かれている」という状況に対して性的興奮を抱いていると、僕は考えるわけです。
 
でなければ、「雰囲気が大切」というフレーズに矛盾しますし。
 
女性の多くが男性を恋愛的に愛するとは思いますが、性愛の対象は「男性」ではなく、「恋愛的に好きな男性に抱かれている状況」というわけですね。
 
つまり、恋愛指向をそのまま性的指向と誤って認識しているという状態に、世間の女性のほとんどがなっているということです。
 
この恋愛指向を性的指向と誤って認識している状態を「恋愛指向による性的指向の錯誤」と僕は呼んでいます。
 
 
まぁ、世の中には「性的に男が好き!」という女性も普通にいますけどね。
 
 

まとめ

さて、いつものように全然まとまっていないのに、無理やりまとめます。
 
この記事は、以前から思っていた「異性愛者って本当に全員が異性愛者なのか?」という疑問から書き始めました。
 
特に女性の場合、男性に直接な性的興奮を抱いている人が少ない気がしてきて、実は女性においては「異性愛者」がセクシャルマイノリティなのではないか?ずっと思っていました。
 
「対状況性愛」という表現は、性的指向を考えている中で生まれてきました。
 
ただ、この記事で伝えたかったのは、
 
人はみな、一人ひとりが違う性的指向を持っているということです。
 
異性愛者であれば、異性愛者。同性愛者であれば同性愛者という一言で、片付けられます。
 
しかし、性的指向はそんな単純なものではなく、色んなものが影響して作り上げられていると思っています。
 
一人一人が違う性的指向を持っているにも関わらず、異性愛者であれば「異性愛者」という型に自分を無理やり押し込み、普通だと言い聞かせていいるのではないでしょうか?
 
男性だから、女性だから、異性愛者だから「こうあるべき」とか、「こうでなければならない」という既成観念に囚われるのは疲れませんか?
 
自分は自分として生き、その中で男性の性質があれば「男性」というカテゴリに入ればいいですし、異性愛者の性質があれば「異性愛者」というカテゴリに入ればいいのではないか?と僕は考えています。
 
無理やりに何かに縛られることなく、自分は自分として生きていきましょう!
 
(まとまったかな?)
 
ちなみに、自分の性的指向で分からないことがあったらどんどんコメントください。
僕の考えで、答えられる範囲で答えたいと思います!